ズーパーク白熱教室(旭山動物園園長トークショー・その3)

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前回までのあらすじ:
マーだらだらと長いわけですよ、これが。(文書が)
とにもかくにも第一部終了(14:00)。1時間後の15:00から第二部がスタートしたとよ。

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第一部は旭山動物園園長。坂東さんのひとり語りでしたが、第二部は到津の森公園園長・岩野さんが登場しての掛け合いです。いちおう司会のお姉さんがいて話をふる感じ。
でも2人とも好き勝手話すので大変そうなんよ。
だってお姉さんがしたいのは、かわいいとか展示の凄さとかだもん。2人がしたいのは「動物とは」「命とは」「これからの動物園とは」だ。噛み合うわきゃないよー。


■噛み合うのは心意気

旭山は北海道の、到津は九州の動物園です。日本の北と南、どちらも衝撃的な閉園の危機を乗り越えてきました。(到津は一度本当に潰れたけど。)
そして旭山の前園長だった小菅正夫氏と岩野さんは親友同士。対照的というか共通しているというか、ふしぎな縁のある動物園です。

ですからお互い、というより岩野さん、到津側はよく「旭山のようにしないのか?」と言われることがあるそうです。
ですが岩野さんはいつも「僕はアレはできない」と言います、この日もそう。

「環境が違う、動物が違う、人が違う。旭山には旭山の蓄積があり、それをベースとして行動展示を考え出した。動物に対する真摯な気持ちがそうしたのです。その気持ち、心意気はマネできるけど形はマネできない。」

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話し出すと止まらないのが岩野さんっす。

「旭山の血、北九州の血がある。到津は一度潰れたけど署名で残った。こんな園はほかにない。市民が盛り上げた、26万もの署名が集まったんです。」

「26万の中には、当然大人がたくさんいた。僕はそれまで“子どもに対して何ができるか"が動物園だと思っていた。でも違ったんです。市民全員が到津を支えてくれたんです。だから僕はこの街に住む皆さんに対して、常に自分の役割は何かと考えているんです。市外の人のことは何も考えていない(笑)」

オイ(笑)


■観光を目指さない

受けて坂東さんが話し出しました。

「旭山でもアザラシや、エゾシカ、キタキツネ、オオカミの展示もやっぱり地元の動物なんです。僕たちとともに生きてきた動物たちなんです。」
「地元の人に関わり続けて欲しい。動物園はやっぱり観光ではないんです。」

お互いの園の見所は何ですか、とお姉さんが問いました。

まず坂東さんが話しました。
「旭山はやっぱり冬ですね。夏はどこでも開(園)いている。」
「寒さが必要な動物がいるんです。-20度をねらって来て欲しい。」
「ペンギンの散歩は雪が積もっているときしかしません。パレードじゃない、ペンギンの自主的な散歩です。雪が積もっているときしかしないのは、ペンギンの足の裏が傷つくからなんです。ホッキョクグマがプールから上がってブルブルッと顔を振ったら毛がビンビンに逆立ったまま凍っちゃうんです。地域特異性を見て欲しい。」
「旭山で見るペンギンやホッキョクグマほど美しいものはないんです。」

次に岩野さん。
「旭山は冬、北九州は・・・そう、四季があります。」
「到津の植物をご覧になったことがありますか。到津では動物だけでなく植物もじっくり見て欲しい。到津のような動物と植物のコラボレーションはほかでつくることは無理でしょう。到津の景観は、日本一だと自負しています(笑)」
「誇るのは郷土。ここにはここの季節、あっちにはあっちの季節がある。同じとこを目指す必要はないんです。」

岩野さんの植物への思いについては僕も何度か聞いたことがあります。
動物の故郷を意識して動物と植物の配置を形成したり、利用者の視野や行動に配慮して落葉樹と常緑樹のバランスをとったり、木々の高さを調節したりしています。


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白熱した議論は、やがて動物園のあるべき姿とは?という大きな話へ向かいます。
とても百貨店の出入り口、道路から入店すぐの自動ドア近くでやるような話じゃない。

話が高尚に、そして壮大になり過ぎた。それを察したか、日本最北の動物園園長・坂東さんが言っちゃった。
「日本中の動物園がウチみたいになったらウザイかなと思いますけどね(笑)」
彼、クールダウン成功セリ。さすが。


次回、最終回!(たぶん)
「これからの『ZOO』の話をしよう」 お楽しみに。


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