どうぶつを描くひとたち

はじめてずかん どうぶつ〈1〉 (はじめてずかん)
はじめてずかん どうぶつ〈1〉 (はじめてずかん)はた こうしろう

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★★★★☆

本屋で見初めました。一目惚れっす。
題名は「ずかん」。でもいわゆる図鑑とは違う。表紙を見てのとおり、かわいい。
図鑑に描かれた図といえば、ふつうは微細までしっかりと描き込まれた写実的なイメージですよね。
ところがこの「ずかん」は、一体の「どうぶつ」に対して数色しか使われていない。しかもべた塗り。
たとえば「しろくま」なら、体の白色とその色い部位の影部分の色として水色、あとは目や鼻などの黒部分とその光沢(ハイライト)、ハイ、それで終わり。
すべての動物がこの具合なんです。アニメ絵みたい。

それなのに、いやむしろそれだからこそと言うべきか、リアルな仕上がりとなっています。
個々の動物が持つ特徴が、シンプルな絵柄だからこそより際立っています。
なんでも情報量が多すぎると選ぶのが大変ですよね。池上彰さんみたいな人が、「ようするに」と言ってくれたほうがわかりやすいのと同じです。もちろん池上役の人が間違っているとえらいことになりますが、この絵本の作者は大丈夫だと思う。

このずかんには、僕が名前を知らない動物もたくさんいますが、なんと、絵を見たらその動物を思い出します。ああ、あそこの動物園で見たあれだ。
絵をみたら、現実の動物が思い出される。それは動物の特徴をみごとに捉えているあかしでしょう。

この作者は動物やら植物やらが好きなんだろうなあ。
嫌いなら嫌いで、その鋭い観察眼に舌を巻くよ。で、作者誰?
調べたら「はたこうしろう」。

・・・ああ!!

今年春頃に衝動買いした絵本「なつのいちにち」の作者かー!!
たしかこのときも興奮してすごいすごいって周りに言ってたら、「有名な絵本だよ、それ」って冷静に返された恥ずかしい記憶が蘇る金狼。
「なつのいちにち」は、僕が感じる夏の暑さ、湿気、臭さ、五月蠅さ、でっかさ、とにかくすべてを絵で表現している怪物絵本です。

いずれにしても、僕ははたさんの絵がとにかく好きだということか。


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あべ弘士ART BOX 動物たち
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★★★★★(満点)

あべ弘士さんの画集をついに購入しました。
私が一度どころか十度も百度も行ってみたい旭山動物園の元飼育員で絵本作家。きむらゆういちが文を書きあべ弘士が絵を描いた「あらしのよるに」シリーズは有名。ってこんな説明いらねえすよね。
日本屈指の動物絵描きさんです。

ついに購入したなどと息巻いておきながら、こういうことを言うのはどうかと思いますが、もともと僕はあべ弘士さんの絵がそれほど好きではなかったんです。
写実的なタイプのものは、描き込みのあるのものは昭和の絵柄というか、もったりとした印象で好みではなかった。
「あらしのよるに」などのイラスト的な絵柄は、乱雑な印象で、しかも独特のクセがあり、どうにもなじめませんでした。
でも、今回画集を見ておおいに反省しました。すごいのだ。

あべさんの絵ってすごいのだ。
動物がそこにいる。あきらかに在る。絵は下手だけど動物は上手い、そう言われる意味がわかりました。
確かに動物描かせたら他の追随を許さない。
あんなラクガキみたいな(失礼)絵なのに、まさに動物のドクドクいう鼓動とか、ごわやわな毛並みとか、臭ってきそうな息とか、触れたいけど触れることをためらわさせる動物の妙な威厳とか、そういう生々しさを感じます。

あらためて見ると、写実的な絵も実はすごかった。僕は過去、何を見ていたんだろう。
動物の形を描くのが上手い人はいくらでもいる。でも、動物っぷりの表現力では、あべさんは群を抜いている。
とくに、マンガ的なものとリアルなものとちょうど中間の動物絵を描かせたら、この人の右に出る人はいないと思うのです。
どこを強調してどこを省略するか。対象の本質をつかんでいないと選択できませんよね。
マンガみたいな絵柄でありながら嘘くささが微塵もない。これってやっぱし飼育員として、動物と向き合って生きてきた(いる)経験によるものなんでしょうね。

「動物ってかわいいよね」とか「絵の技術探求してます」な方には好みがわかれるところだと思うが、動物園とか野生動物とかが好きな人には、とってもにオススメの一冊です。
むしろ要らないと言われても押しつけたい。


旭川市旭山動物園 公式サイト
http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/ 
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