岩野園長のリーダーシップがすごすぎる件

到津の森公園

予告しときながら3週間も過ぎた。誰も待っていないとはいえ。

到津の森公園で、岩野園長の園内ガイドが4月26日(日)に行われたんですね。
曇りとはいえ休日ですよ。親子連れやカップルで賑わう園内です。
たとえばライオン舎の前は、こう。



子どもの声、飛び交う。ぎゃあああああああああああ!!!!つって。
ライオンが迫ってくりゃそりゃ恐い。
でも大人は笑う。あははははは。剛胆である。いや鈍感なのかな(笑)

そんな親子連れやカップルで賑わう園内なのに、今日の本題である園長ガイドの参加者は男女あわせて全5名、ぜんぶ中年以上。一種異様なツアーとなりました。
でも参加者ぜんぶが大人だから期待できることがある。

園長曰く、「前回(3/20)は、動物舎の集まるゾーンから行ったから、今回は植物のほうから行きましょう。」

っしゃーンナロー!! それだ、それを待っていた。動物園なのに植物。
でも普通は聞けない、そんな話をこそ聞きたかった。

到津の森公園の敷地は約10.6ヘクタール、つまり32,000坪ほどだ。
このうち2/3が外国産の植樹を中心に、1/3が日本産の植樹を中心に行っている。
敷地の約2/3を占める外国産の植樹側とは、ゾウとかキリンとかトラとか遊園地とかがあるほう。人が集まる派手なゾーンだ。
あと1/3の日本産植樹側とは、森の音楽堂とか雑木林とか遊具とか、ほとんど展示動物がいないほう。地味だ。単なる裏山、雑木林と言っていい。

でもこの地味な方こそ到津の森の姿勢がしっかりと現れているはず。
人目に付かないところにこそ、真実が現れる。会社に行ったらトイレを見るようなもの。

写真
写真奧にあるのが「こもれびの径(みち)」。
前回紹介したバン(鳥)がいるところだ。

入るとふつうに雑木林だ。なかには鳥がたくさんいるが、風景にとけ込みすぎてよくわからん。ここはとても大事な発言だ。

子どもは、まったく見えも聞こえもしないものを探すのはわりかし不得手だから。
でも大人は、姿が見えなくても「ここにいる」と聞けば探して見つけようとする。
だから「こっち」のゾーンは大人向きだと園長は言った。

でもじゃあ大人って世の中に意外に少ないね。あんまりそういうふうにじっくり探している人は見かけないw

写真
「こもれびの径」のドア。入るときに押す。出るときに押す。入口から出口は一方通行。
つまりドアの開閉方向にも意味があるそうだ。
動物と人間の行動特性や傾向を踏まえている。感心。

写真
目的を持って植樹するが、一筋縄ではいかないという。
「こもれびの径」の出入口のところにクヌギ。
園長「こんなとこ植えてないんだけどね」
勝手に生えたんかよ。

「野草も木も、もともとそこにあったものしか育たない」
でも育つものは育つ。勝手に育つ。


写真
植樹は常緑樹と落葉樹のバランスが大事だとか。
つまり、秋冬に葉っぱが落ちるのと、1年中葉っぱがついているやつの組み合わせ。
常緑があれば小雨や風や暑さを和らげる。
でも常緑ばかりだと、太陽の光が地面に届かず、草が枯れる。暗いし。
落葉は季節で表情が大きく変わるから景観としては欠かせない。つまり紅葉。

常緑と落葉の、枝ぶりによる大まかな見分け方も聞いた。生態故の枝ぶりの違い。
今、街にある木々を見るだけでおもしろい。都市計画の方向性が垣間見えたり、まったく意味わかんなかったり。

そのほか、「みんなが嫌うスズメバチがいるから、みんなが大好きなカブトムシやクワガタが生きていける」だの、「子どもと水辺の関係」だの、「絶滅危惧種と言われる草だってココではどんどん増える」だの、いろいろ興味深い話あったが省略。
おいおい折に触れてお話できればと思う。


写真
到津の森は日本で初めてムササビの繁殖に成功した。
その理由は高さ15mを超えるこのオリと、ヤマモモの木に秘密があるそうだ。
簡単に言えば、動物本来の行動ができる環境を用意したということ。

ところでこの近くにはタヌキ舎もある。

到津の森の約1万坪の、日本産の植物ばかりのこのゾーンは、すなわち日本のあたりまえ(だった)の風景の再現に過ぎない。
展示動物は少ないが、勝手に生きている動物や虫や植物は、それはもう多彩だ。
実はこのゾーンの展示動物だって、僕たちが見落としているだけで、そのへんの林とかにいてもおかしくない種ばかりらしい。
こんな見事な動物たちが、すぐそばで野生でいるのか。


ちなみに園の敷地、残りの約2万坪の植樹は、展示動物の生きる土地の雰囲気に準じたものだとか。
準じているからこそ、彼らの体型の意味や動作の理由がわかる。
だからキリンやゾウの近くに桜はない・・・!!


写真
などと感動していたら「せっかくだから」という比較的どうでもいい理由で、いきなり7月オープン予定の工事中で立ち入り禁止ゾーンに突入した。
スタッフの慌てぶりから、本当に予定外だったらしい。
この方いつもこんなんだな。前(3/20)はいきなり予定外のライオンのエサやりだし。周りは大変です。でも僕らは楽しい。

写真
オープンしてからは絶対行けないような場所に入ったのも当然おもしろかった。
が、それよりも、ひとつひとつの構造に対して、目的や役割を説明してくれたのがたまらん。


写真
ここは子どものための「ふれあい動物園」。
草木は常緑と落葉の組み合わせと、子どもだから鮮やかな花も配置する。なるほどな。


ところで、GWにあわせて公開されたレッサーパンダ舎とアライグマ舎について、建設中ふしぎに思ってたことがある。
レッサーは地面が土なのに、アライグマはコンクリ。旧展示でもそうだった。その答えのひとつがわかった。
「アライグマ回虫とかの病気を防ぐために、掃除をしやすいようにね」
聞いてみるもんだ。


園長ガイドは、今回は予定通り1時間で終了。前回は1時間半超えたからな。


園長はこの日の特別イベントのところに向かった。
でもそのときシマウマの赤ちゃんが公開したというので、そこまで一緒に行きましょうつって、みんなゾロゾロ。みんなって中年5、6人な。

写真
赤ちゃんはなんでもやっぱ人気だな。人多かった。

写真
こっちは公式サイトの画像。上よりもう少し前の時期だ。
毛並みがスゲー! ぜひ拡大して見て欲しい。(当サイトではできません)
うぶ毛感がすごい。
左上はヒツジの仔。春は出産ラッシュということ。


園長の向かう特別イベントとは、以前(動物園考・24)紹介した「森本千絵」絡みで、世界で活動するダンスカンパニー「コンドルズ」のワークショップだ。

写真
動物になりきるつって、大人が大はしゃぎ。子どもはどうした。


なんてのを見ながら、結局園長の話は止まらない。
途中からは、調子に乗って僕、いろいろ質問した。するとすげー語ってくれるの。

写真
「これからの動物園」、「発展途上国における動物園の責任と役割」、「動物の生理を生かした展示とは」、「人のエゴである動物園の存在意義」、「到津の森の将来設計」、「動物が今輸入できない本当の理由」などなど。
気がついたら解散宣言から40分くらい過ぎとる。誰か止めたれよ。いや止めるな。


しかしこのガイド、無料なんて本当にもったいない。冗談抜きでお金払いたい。
こんなこと思ったの初めてだよ。


写真
岩野園長の頭。缶バッジがかわいかったので。


到津の森公園 公式サイト
http://www.kpfmmf.jp/zoo/
コンドルズ 公式サイト
http://www.condors.jp/
森本千絵 公式サイト「goen°」
http://www.goen-goen.co.jp/
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