桜木花道が憑依する「夜の水族館」

【しものせき水族館・海響館】

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動物園や水族館に行くたびにブログを書いているわけではない。
2015年7月25日に行った海響館のことも書くつもりはなかった。
ただ「夜の水族館」を体験したら、そうも言ってられない。

実施期間は7/25-8/31まで。もう終わる。
しかし、ここに記録しておかねばいけないと思う。

だいじょうぶ。わりと賞味期限の長い内容にするつもりです。

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昼間に撮った写真は、イルカのパフォーマンス程度だった。
初めて海響館の「イルカ・スプラッシュシャワー」に参加したのでね。

希望者(1回先着25人まで)は、特別席でイルカに水をかけてもらえるという定番企画である。
夏の外出時にはいつも水着をもっている息子(6歳)に敵なし。よかったね。やれやれ。

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そして17:00に一旦閉館し、18:00に再び開館する。「夜の水族館」だ。(21:00まで)

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入館口すぐ、19:00から行っているのが「飼育員のナイトトーク」だ。
公式サイトより詳細を転載する。

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  平成27年7月25日(土)~8月14日(金)
  第一弾「目指せ!チンアナゴ博士」
  平成27年8月15日(土)~8月31日(月)
  第二弾「ダイオウイカ~深海にすむ巨大イカの秘密~」
  それぞれのお話を聞いていただいたみなさんにオリジナルスタンプを押します。
  2つのスタンプを集めた方には、ダイオウイカと一緒に撮影した写真と、終了証をプレゼント!
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おわかりか。
二段構えにすることでリピーターをねらっている。見てた感じ、ある程度成功している。
第二段がダイオウイカで、特典がダイオウイカとツーショットってのがポイント高い。
華があるよね。夏休みの冒険っぽさもあるし。

第一弾がチンアナゴというのは地味なようだが、女子人気も高く安定の選抜だと思う。
それだけじゃない。
チンアナゴは、海響館にとって企画展を実施するほどのサカナだ。海響館ユーザーのチンアナゴ・リテラシーはわりと高いはず。つまり集客力がある。

実施時間は19:00だ。絶妙である。
18:00に入館して館内をひととおり見終わった水族館のライトユーザーと、出遅れて入館したお客さんが、ちょうど入館者に集まる時間なのだ。
ライトユーザーにこそ聞いてほしいのだろう。

私が参加したのは第二弾の「ダイオウイカ~深海にすむ巨大イカの秘密~」だ。
ダイオウイカのスペックから海の環境の話まで網羅する濃い内容だった。でもトークは軽妙だったんだよね。面白かった。
ホルマリン漬けのダイオウイカにタッチもできた。
イカの死体にさわったからなんだとも思うが、さわる前と後じゃあ、イカへの親密度が変わる。親密度は興味の度合いと正比例する。

解説のあと、飼育員さんは、「夜の水族館」の楽しみ方を「ぼくが好きなのは」という親しみのある話法でごくカンタンに紹介してくれた。
具体的に言うと、2階で実施の「のぞいてみよう夜の生き物たち」の楽しみ方についてである。

「昼はほとんど動かないニホンウナギの泳ぐ姿が見れるんです!」
「サンゴの水槽の照明が点いたり消えたりしていますが、色が変わるんですよ!」

ちょっと興奮気味の「!」が、われわれに興味を抱かせる。
この「紹介」の効果を私はこのあと身をもって体験したのは後述するとおり。

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ナイトトークのあと、すぐ(19:30)にイルカとアシカの共演ショー「ナイトアクアシアター」がはじまる。
昼間と違い、セリフは一切なし。
音楽に合わせてひたすら動物たちが身体能力を見せつける。

まあ、イベント然とした内容だよ。
「凄い!」とは誰でも思うだろうが、そこに学びを見いだせる方は少ないかもしれない。
それでもいいと思う。だって「夏休みの夜」だもん。

本当のことを言えば、個人的には物足りなかった。新しい知見がほしかったから。
でもそれは、「のぞいてみよう夜の生き物たち」(2階)を見るまでのことだった。

2階に行けば学びが勝手に発動することが、スタッフにはわかっていたのだと思う。
ゆえに夜のイルカはパフォーマンスに徹して気分を盛り上げるだけでよい。
テンションが高まり心が開放された状態で、今夜いちばん見てほしい展示を見てもらう計算。

人に何かを伝えたいときは、リズムをつくれ、すべて言うな、内容を絞れ。
プレゼンの基本です。
伝えたいのは夜の水槽。ほかのすべては、そのための前座とする・・・。

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2階に行くと、いきなり赤い光の懐中電灯を渡された。

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暗ッ!! 足元見えん。水槽も真っ暗やんけ。
なるほど。だから懐中電灯なのね。

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メガネカラッパ。変な名前だが、動きがカッチョイイ。
しかし、今までこんな生き物がいることすら認識していなかった。

じつは2階早々に「ニホンウナギ」がいた。泳いでいた!
飼育員さんのオススメのとおり「泳いでいるはずだ」とウナギを探し、実際に泳いでいたときの驚きと喜びたるや。

でも自分で見に来て、誰もがこうはいかない。
レアな光景があることを事前に知らされているから、真っ暗な水槽に視野の狭い小さな光を当て見つめ続けることができたのだ。
でもね、「知らされていない方」もだいじょうぶだったんですよ。
「知らされた者」が「発見」を声を上げて喜び合う。その声を聞いたら「何ずるい私も」と探したくなるのだ。

一度の成功体験は、次の水槽を見るときにも影響を及ぼす。
「ここにもなにか面白い光景があるはず」。
なんてね。
これほどたくさんの人が水槽の前にとどまる風景を私は見たことがない。

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カブトガニ。メスかな。
いつも見る生き物も夜は違って見える。

あれも見たい、これも見たい。そりゃあ人の列は進まないわ。
そしてこの夜に初めてしっかり見た生き物は、昼間の姿も見たくなるという仕掛け。ヤられた。

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サンゴ。照明の有無で色が変わるというのがコレ。写真が下手でアレだが。
右の写真を拡大してもらうと、下半分にかすかに発光しているサンゴの姿が。(上部の縦長の光は水槽への映り込み)


懐中電灯で照明を落とした水槽を見るというのは、じつは珍しいものではない。
311の震災以降、節電対策ということで「須磨海浜水族館」が取り組んでいるほか、各地で行われている。
海響館ももはや「毎年恒例」と銘打っている。

だが、これほどとは思わなかった。
視界が遮られるゆえに、見所が絞られる。
私たちが水槽をじっくり見ることができないのは、情報が多すぎるからだ。どこを見ていいかわからない。
でも懐中電灯の取り組みは違う。懐中電灯の光の範囲しか見ることができない。

「スラムダンク」27巻。山王戦。あきらめかけた湘北メンバー。
赤木にカンチョーをして、「ヤマオーは俺が倒す!! by天才・桜木!!」と観客席に向かって豪語した桜木花道と私の気持ちが、いままさにリンクした。
「 不思議と迷いはなかった。やるべきことが1つに絞られたから。」

そう、私たちは、広い水槽の中の光の当たる狭い範囲だけを注意して見ていればいい。
それだけでいい。

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息子(6歳)もやるべきことをちゃんとした。

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出口直前にあるのが企画展示室。
最後にあるのがニクイ。
あとは出口しかない場所で行っているから、急いで見る必要がない。

今開催しているのは「奄美の海探検記-ミステリーサークルの謎-」。期間は7/4~9/23。
内容を公式サイトから抜粋する。

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 今から約20年前に、奄美大島の海底でミステリーサークルが発見されました!そのサークルは、幾つもの溝が放射状になって、中央には不思議な模様ができており、直径は約2mあります。今回はそんなサークルを紹介する特別企画展「奄美の海探検記-ミステリーサークルの謎-」を開催します。
 だれが、どのようにして、何のために作ったものなのか、その謎に迫ります。現地で撮影してきた動画や、実寸大のサークルの模型も展示致します。また海響館が行ってきたサークルの調査研究の結果も紹介いたします。皆様、是非、海底のミステリーサークルの正体を見に来て下さい!
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答えを言うと、アマミホシゾラフグという10cm足らずのフグのオスが、繁殖のためにメスを惹きつけようと行うらしい。
サークルがみつかったのが1995年頃、制作者の正体がわかったのが2011年で、しかも当時新種だった。
このフグの調査に海響館も関わっていたようだ。

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よかったのが、サークルを自作できるコーナーがあったこと。
ふるったのが、息子(6歳)が「もう、そんなんせんでいいやん」と言った私に放った一言。

「やらんとわからんやろ!?」

猛省を促したい。>おれ
じじつ、実際にやると、10cm足らずのサカナの凄さがよくわかった。できーん!
なお写真は息子(6歳)作。
昼と夜、ともに挑戦して、精度とスピードを向上していった。

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最後に、2階にいたユウレイクラゲが綺麗だったのであげておこうっと。
たまに同じ水槽内にミズクラゲがいるとああ。エサだって(笑)

ペンギンは陸地で立ったまま目を閉じて寝てたし、そいや、イルカは水底で寝てた(たまに呼吸しに上昇する)。

夜の水族館、昼間とセットで比較してどうぞ。

あーたのしかった。


しものせき水族館・海響館 公式サイト
http://www.kaikyokan.com/


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