「寄生獣」に学べ! 水族館の見方

【しものせき水族館・海響館】

2015年5月24日、ひさしぶりの海響館でしたが、3時間足らずしか滞在できませんでした。
来年息子(6歳)が入学する小学校の運動会を見て、門司港のみなと祭で家族とお酒とたわむれて、そののちに息子のわがままで関門海峡を船で渡ってからの海響館だったから。

正直疲れて眠かったのですが、いやあ、吹き飛ぶね眠気とか。

150524_01.jpg

順路ほぼ最初の「瀬戸内海の海水槽」では、カタクチイワシ5万匹の大群泳がいつもどおりの圧巻っぷり。
他の来館者からも歓声がとんでいました。

個人的なオススメは、子どもの(より低い)目線から上を見上げることなんよ。
クラクラ度が違う。本当に違う。

150524_02.jpg

イワシ後すぐに小さな水槽が。ヘイケガニです。
その甲が人間の憤怒の表情に見えるというカニ。詳しくはwikiで(笑)

じっと見てたら飼育スタッフの方が。
エサやるてよ。イベントではなくたまたま。ラッキー。

息子と妻と3人、興味ぶかげに凝視しながら、すごいすごいと感嘆の声をあげていると、飼育スタッフの方がいろいろ教えてくれました。

ヘイケガニはなんでもかんでも背に背負う習性があること。
そのための各足の形が違うこと。
てゆうか背負うので特徴的な甲はほぼ見えないこと(笑)
ヘイケガニのその他の種類とそれぞれの特徴について。

150524_03.jpg

食事をする姿は、自分(飼育スタッフ)もあまり見ることがないこと。
「いつも水槽の正面を向いているとは限らないですから」
なるほど。

腹のところがパタパタしている個体がいました。
「卵をおなかに抱いていて、つねに腹に新鮮な水を供給しているんですよ」
聞かないとわかんない! ありがとうスタッフさま。

ほかにも、「昨日(5/23)にスナメリの赤ちゃんが生まれてたんですよー」「スナメリの水槽に行ったらですね・・・」と、世情に疎い僕には、ひたすらたすかる海響館の最新情報も提供していただきました。

息子が興奮して見ていただけなのに、いろいろ教えてもらったなー。
興奮して観察するって、「説明したくなる態度」なのかもしれません。見習いたい(笑)

150524_04.jpg

今回おもしろかったのが、イルカのパフォーマンスです。
タイトルは「ディープアニマル2」。

毎回、「海賊」「武蔵対小次郎」などテーマを定め、それを定期的に入れ替えています。
いつもシナリオに沿って進行するのですが、芝居重視にならないよう配慮しているのは伝わります。
僕ら素人や子どもたちの気持ちを、つなぎとめるツールとしての芝居仕立て。
目的はあくまで動物への理解を深めるためということです(たぶん)。

で、今回はなにか。
やられた。これは・・・おもしろかった。

最初に「コミュニケーション、絆がテーマ」などと言うから、いつもの物語仕立てかと思いました。大間違い。
動物の能力すげえんだぜ、知らないだろ。教えてやるよ。見てよコンチクショウ!!
というスタッフの叫びが聞こえました(噓)。

「動物はいろいろな方法でコミュニケーションをとります。まずは目」
などと言いつつ、動物に手を挙げたりして指示を出します。

ジャンプや泳ぎなどのパフォーマンスの中に埋もれてしまいがちな能力を、一行程ずつ、解説つきで行っていました。
するとどうなるか。
イルカたちが泳ぎながら、あるいは水中から、陸上の小さなヒトの挙動を間違いなく見分けているというおそるべき能力に、僕たちは<いまさらながら>気づくのです。驚きとともに。

これは、飼育スタッフが、日々イルカに抱いているであろう敬意をともなう驚きと同質のものだと思います。
あるいは、親が子に抱く「子どもには敵わない」という喜びと愛情を湛えた心地よい敗北感と、同じ。

150524_05.jpg

「つづいては耳・・・」
「つぎは動物のトレーニングについて紹介しましょう・・・」

クラクラしてきた(また)。
これは確かにディープだ。僕らの動物の見方を一歩深く導く展示だ。

余談ですが、「2」となっていたので調べました。
公式サイトによると、2011年頃から4年ほど物語仕立てのパフォーマンスを行い、2015年3月から「ディープ・アニマル」が開始したそうです。
そしてもう「2」か。進化中ってことですね。


不躾ながら、今後取り込んでくれると僕小躍りの内容を書き添えておきます。それは、
「その動物は、なぜその能力を有する必要があるのか」。

目がいいのはわかった。
でも・・・なぜ目がよくないといけないのか。目が悪いとどんな不都合が起きるのか。
「なぜ目がいいんだと思いますか? ヒント。イルカはどうやってエサをとるでしょう?」
(上の例が適切かどうかはわかりませんが、)能力と生態、環境を<つなぐ>解説があると、いち観客としてわくわくしますねー。

今話題沸騰のイルカ(※)・・・彼らのほんとうを、僕らが知り、考えるきっかけとなるパフォーマンスになったら最高や。

 ※世界動物園水族館協会(WAZA)の警告に従い、本動物園水族館協会(JAZA)が
  加盟水族館に漁で捕獲されたイルカの入手を禁じることを決めました。(2015/5)

150524_11.jpg
150524_06.jpg 150524_08.jpg

出口直前、ミュージアムショップ横でひっそり行われていた「ペンギン村テーマ館 飼育スタッフの目線」展もオススメです。
ネットで調べたら、開催期間5/10マデとなっていました。いつ終わってもおかしくない、急いで!

150524_07.jpg

僕のもえどころを挙げるです。
ペンギン展示「ペンギン村」の立体模型。

150524_09.jpg

つま先上げて動かないのは寝てる・・・!
なにこれおもしろい。

150524_10.jpg

孵化する卵も惹かれますが、やはりここは足、足!!
足なんていつも見過ごしちゃいそうなポイントですが、ここまで寄られる心まで引きつけられますね。
そしてきっと、次にペンギン見るときは足を見ちゃう。


生き物を見るときは(生き物じゃなくてもですが)、「いかに他者の目線を獲得するか」がおもしろくなる秘密なんでしょうね。
「寄生獣」第63話のミギーのセリフを思い出しました。

「ほう……きみの母親は きみの脳では こういう姿に見えるのか」
「どれもわたしが自分の「脳」で見たのと違う……」
「同じ構造の脳を持つはずの人間同士でさえ 例えば魂を交換できたとしたら それぞれ想像を絶する世界が見え 聞こえるはずだ」

150524_12.jpg

閉館時間になりました。外にでるときれいな空でした。
写真を撮ろうとしたら、妻が執拗に邪魔しやがります。
結局ちゃんとした写真撮れねえし。どれだけ暇な動物なんだよ。

だがな それこそが人間の最大の取り柄なんだ。

心に余裕(ヒマ)がある生物
なんとすばらしい!!

クラクラしてきた。


しものせき水族館・海響館 公式サイト
http://www.kaikyokan.com/
関連記事
スポンサーサイト

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する