個性豊かなオウムとインコ

「ひろば北九州」内の連載の書き写しシリーズです。
始めた理由は→コチラ。読んでいただけると嬉しい。


今回は「ZOOっとそばに到津の森」(「ひろば北九州」2011年1月号)分!


オウムとインコについて、まるで恋人を紹介するようです。
トリって一般的には、ほ乳類よりも個体の区別がつきにくいと思います。
でもこんな愛に溢れたひとりひとりの紹介を受けたなら、次からはもう「鳥類」じゃなくなっちゃうよね。「オウム」でも「インコ」でもない。彼らはひとりひとり別のひとりひとりだとわかります。僕があなたではなく、あなたが僕ではないように。なにこのポエム。

文中にある「アサキチ」が死んだ(2013年2月22日)と知ったとき、寂しさと感謝があふれ、なんともいえない気持ちになりました。鹿子島さんのおかげです。

あとキバタンとコバタンの謎が解けた! てか「バタン系」って言い方があるのかー!


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「個性豊かなオウムとインコ」
文:到津の森公園 飼育展示係 鹿子島有希


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 「オハヨウ」「コンニチハ」。到津の森公園の門をくぐると、どこからか元気な挨拶が聞こえてきます。今月は4羽のオウムと2羽のインコをご紹介しましょう。6羽はふれあい動物園や樹幹デッキの人気者です。

 1羽目のキックは、キバタンという種類のオウムの雄です。立派な体格をしているのですが、性格はややビビリ。実はキックは嘴の噛み合わせが悪く、嘴が伸びるのを放っておくと、餌が食べられなくなってしまいます。定期的に伸びた嘴を切りますが、キックはそのたびに怖い思いをするのですから、少しぐらいビビリになっても仕方ないのです。

 しかし、キックは一番のお喋り上手です。挨拶の他にも「キックチャン」「キバタン」などレパートリーは豊富です。ただし、皆さんが話しかけた時に、お返事は期待しないでください。お返事は苦手なのです。キックは、話しかけてもらった時にはダンマリを決め込むことが多く、じっと相手を見つめています。少し緊張しているのです。静かにゆっくりと話しかけてあげてください。リラックスできたら、いろいろな表情や仕草で応えてくれますよ。

 2羽目のリーも、キバタンの雄です。キックと比べるとやや体が小さいのですが、お喋りもでき(大半はゴニョゴニョとオウム語になってしまっていますが)電話の音真似がとても上手です。性格はさみしがり屋だと思うのですが、私の失敗を「ウフフフフ」とかわいく笑う、ちょっと意地悪な面もあります。

 リーは当園に着た時、お腹に羽が生えていませんでした。ストレスから自分で抜いてしまっていたのです。とても心配しましたが、他のオウムやインコが側にいたことが良い影響になったのでしょう。新しい羽が少しずつ生えてきました。羽を抜く癖は一度覚えてしまうとなかなか止めることができません。今でも一進一退を繰り返していますが、これからも元気に過ごせるように、一緒に頑張りたいと思います。

 3羽目のココはコバタンの雄です。「キバタンとコバタン?」と思った方もいるでしょう。彼らはバタン系というオウムの仲間なのです。そっくりなのですが、体の大きさや生息地などにより分類されています。

 ココはお喋りはできませんが、行動で気持ちを伝えます。嘴をカチカチと鳴らしている時は、とてもご機嫌な時です。性格は甘えん坊。隙あらば鳥かごから出してきてしまうことも。飼育員をトコトコと追いかけたり、擦り寄って甘える姿はとても可愛いのですが、一度外に出るとすぐには戻ってくれませんから、ちょっと困ってしまう事もあります。
 そんなココの得意技は「コバターン」。嘴と脚を上手に使い、鳥かごの中でクルクルと素早く回ります。小学生が命名してくれたのですが、なかなか良いネーミングではないでしょうか。皆さんもぜひコバターンを見に来てくださいね。

 4羽目のルリは、ルリメタイハクオウムの雌です。目の周りがまるでアイシャドーをしたようにきれいな瑠璃色をしています。6羽の中で体が一番大きく、羽もピカピカですが、来園はなんと1965年。45歳以上の当園位置の長寿です。性格はとてもおっとりしていますが、実はかなりの食いしん坊。毎日餌入れの中を確認してから、一番食べたいものを渡すように飼育員に要求します。この時、ルリの気持ちになって考えますが、大好物はたくさんあるので結構な難題です。間違えば、わざと落とし、次の餌を要求します。しかし、その食へのこだわりが長寿の秘訣かもしれませんね。

 ルリメタイハクオウムは大変希少な種です。当園でも繁殖に取り組んだことがありましたが、残念ながら卵は孵(かえ)りませんでした。今は年齢の問題もありますので、とにかく毎日元気に過ごしてくれればと思います。

 5羽目のアサキチは、アオボウシインコの雄です。結構な長寿と推測され、年齢のせいかお昼寝が大好き。脚をよく見ると、片足の指が1本しかありません。以前、外敵に襲われたのです。止まり木をしっかりと握ることができず、お昼寝はもっぱらかごの下まで降り、丸くなって眠ります。その様子を見て「具合が悪いのでは?」と心配してくださる方もいらっしゃいますが、本人はいたって元気。どうぞご安心ください。

■みなさんも彼らの魅力を見つけてみて

 アサキチは飼育員の好みが激しく、そういう意味ではお世話に手のかかる子かもしれません。幸い私は愛称が良いのか甘えてくれるのですが、相性の悪い飼育員にはぎゃーぎゃーと騒ぎながら果敢に噛みついていきます。オウムやインコは人をしっかりと見分けることができるのです。もちろん飼育員と来園者もしっかり見分けていますよ。

6羽目のミスは、オトメズグロインコの雌です。性格はとにかく陽気。口笛の真似をしながら踊るのが大好きです。ただし、オトメズグロインコ独自の踊りですから、残念ながらあまり理解できません。しかし、子ども達には大人気で、一緒に踊っている姿をよく見かけます。大人の方も時々楽しそうに踊っています。

 この踊りは、実はオトメズグロインコのボディーランゲージなのです。一つ一つの動作に、威嚇や求愛、喜びや興奮など様々な意味が込められています。林床の世界で飼育されているゴシキセイガイインコも、オトメズグロインコに近い種類なので、やはり同じように、仲間同士で一緒に踊っていることがあります。きっといろいろな気持ちを伝え合っているのでしょう。ミズが皆さんに向けて踊っているときは、どんな意味が込められているのでしょうか? ミスの気持ちを想像しながら、一緒に踊ってあげてくださいね。私は飼育員になって様々な動物と出合いましたが、この6羽たちと一番長い時間を過ごしてきました。それでもまだ、彼らとの日々には驚きや発見があります。楽しく過ごす中で、彼らに感心したり、教わったりした事もたくさんありました。今回のご紹介で彼らの素晴らしさの一部でも皆さんにお伝えできたなら、とても幸せです。皆さんもぜひ、彼らの魅力を発見してみてください。


【到津の森公園(小倉北区上到津)】
 前身は西鉄が経営する到津遊園。昭和7年開園。遊園地に併設された動物園として市民に親しまれたが、平成10年、経営難を理由に閉園方針を発表。だが、26万人分の存続署名が集まり、北九州市が引き継ぎ、平成14年、到津の森公園として再開。
 自然に、動物に、人間にやさしいをコンセプトに、約100種500頭の動物を展示。また、「市民と自然を結ぶ窓口」として、市民がエサ代などを寄付できる制度、エサの準備などに協力する市民ボランティア制度もあり、市民と一体となった動物園づくりをしている。

web http://www.itozu-zoo.jp/


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ちなみに今(2013年4月現在)は展示場所が変わっている子もいますので注意。
オウムやインコ愛好家の間では1羽目が亡くなって2羽目を飼うとき、自分の寿命を考えるとかって聞きました。
そりゃそうだよね。当たり前に30年とか生きるんだから。
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