ありのままの動物が一番かっこいい!

「ひろば北九州」内の連載の書き写しシリーズです。
始めた理由は→コチラ。読んでくれます?


今回は「ZOOっとそばに到津の森」(「ひろば北九州」2010年11月号)分!


恩人おとめさんです。

トラのドラゴン翁が死亡(2011/11)した折、Twitterでの僕のつぶやきにおとめさんがリプライ(返信)してくれました。
このことをきっかけに、動物たちに対してはもちろん、動物園という施設やそこで働いたりボランティアをしたりする方への眼差しが、ちょっとだけ変わったと思うのです。真面目に誠実になりました。あくまで当社比やけど。
彼女との出合いが、やがて僕の職場へ岩野園長を講演会講師としてお呼びする直接の原動力となるわけで・・・すごい影響や。
この記事は2010年11月のものですから、そんな未来が待っているとはまったく知りませんでしたけどね。

彼女はすでに到津の森を退職しています。退職を機にTwitterアカウントは止まっています。
そして彼女は今新たな道を歩み始めています。

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「ありのままの動物が一番かっこいい!」
文:到津の森公園 飼育展示係 北野温女(おとめ)


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 警察官、宇宙飛行士、海洋学者、考古学者・・・・・・飽きっぽい性格からか、幼い頃から将来の夢はころころとよく変わっていましたが、「終わりのないものを追求したい」という思いはずっと持ち続けてきました。

 家族にアレルギーや喘息の持病があったことから、幼い頃は、生き物と接触を持てる環境ではありませんでした。しかし、生き物から遠い環境だったからこそ、私の中で生き物はヒーローのような、かっこいい存在になっていました。そんな憧れから、小学生の頃は怒られると分かっていても、小さな生き物を捕まえて来ては、こっそりと飼っていました。

 ある日、1匹のクモを捕まえました。紙コップに爪楊枝で小さな穴を開けたラップをかけ、逃げないようにしっかり輪ゴムで止めて引き出しの中に隠していました。ところがある朝、餌をやろうと引き出しを開けるとクモがいなくなっていたのです。輪ゴムも取れていないし、逃げられるような穴も空いていないし、どうやって逃げたのかまったく分かりません。不思議な気持ちと「生き物ってなんてすごいんだろう!」と強く感動したのを今でも鮮明に覚えています。

 私は現在、バード班に所属し、鳥の飼育をしていますが、この時のような感動を鳥からも受けます。種類にもよりますが、鳥は基本的に食べられる側の動物なので、そう簡単には心を開いてはくれません。特に体調が悪い時は、弱っていることを表に出さないように、倒れるギリギリのところまで耐え抜きます。中には元気そうに止まり木に止まっていても、次に見た時には死んでしまっていることもあります。
「そこまで強がるなんて」と思われるかもしれませんが、そうしないと、弱いものから順にやられてしまう野生の世界では生き残ってはいけません。生きていくために我慢をする鳥たちから、「生きる」という必死な思いを感じます。

 このように感情を表に出さない鳥たちですが、一方で「お、考えているぞ!」という一面を見ることもあります。

 樹冠デッキで元気にお出迎えしてくれるスミレコンゴウインコのカブはとても神経質な性格です。かじって遊ぶためのつたや丸太を獣舎の中に入れてあげても、すぐには近づきません。1歩近づいては止まり、相手(つたや丸太)の様子を確認し、また1歩近づきます。時には、片足を上げたままその場で固まり、じっと様子をうかがっていることもあります。そんなことを繰り返し、危険はないと確認できてから、やっと遊び始めるのです。

 カブのように新しく遊具を設置した時や餌の内容を少し変えた時、見たことのない人が獣舎に入ってきた時など、いつもとは違う状況に鳥は過敏に反応します。そして、首をひねったり、きょろきょろ周りを確認したり、ものすごい勢いで突進してきたり、翼を大きく広げて威嚇してきたり・・・・・・。性格が違えば違うほど、みんな違う行動で変化した状況への反応を見せます。周りの状況を把握し自分や仲間の身を守ろうとする鳥たちの、この慎重さもまた、野生で生き残っていくためにはとても重要なのです。

 最近は旭山動物園が火付け役となり、テレビや新聞が動物園を取り上げることが多くなりました。その中で「行動展示」や「生態展示」といった言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。動物たちの「飛ぶ、泳ぐ、走る、潜る」などの動きを発揮できる環境を創って行動を引き出す「行動展示」、動物が暮らしている野生の状態を再現し、そこで本来の姿を見せる「生態展示」。どちらも動物たちが身も心も健康で幸せに暮らしていけるように環境を整えてあげよう、というものです。

 そうすることで、動物たちの生活が豊かになるだけではなく、皆さんに動物本来の動きや体の色、大きさ、におい、餌を食べる勢い、鳴き声の迫力など、動物たちの魅力ある姿を見て、知ってもらうことができます。

■動物のために何ができるかを考えて

 前に書いた鳥の特徴も、環境を整え、上手に引き出せれば、鳥に刺激になると同時に皆さんにも喜んでもらえます。そうすることが、何より私自身もとても楽しいし、嬉しいのです。環境を整えると言うと、大変なことをしているように聞こえますが、動物が好きという思いが大前提にあります。どの飼育員も担当している動物は特にかわいいし、もっと知りたいと思うし、彼らのために自分に何ができるかを考えます。そして、好きだから何かをしてあげたいという気持ちの延長線上に、「行動展示」や「生態展示」と呼ばれるものがあるのだと思います。

 しかし、常に頭の中に入れておかないといけないことは、私たちが接しているのはペットではなく動物園の動物だということです。かわいいから、好きだからという理由で、むやみやたらに手を出していいわけではありません。動物との距離を計り、自分がしていることが動物のストレスになっていないか、野生の姿からかけ離れていないかなどを見極め、しっかり線を引いて接していかなければなりません。

 今年、野生から保護されたタヌキの赤ちゃんを初めて人工哺育しています。園内で鳥の他にタヌキも担当しているので、勉強になればとさせてもらいました。最初の頃はまだミルクしか飲めなかったので毎日家に連れて帰り、一緒に生活をしていました。真っ黒だった毛もすっかりタヌキ模様になり、骨がついた肉でも噛み砕いて食べられるようにもなりました。できることが増えていき、日々成長していく姿を見ると愛おしい気持ちがこみ上げてきます。
 しかし、どんなにかわいくても、ずっと一緒にいたくても、いつまでも手元に置いておくわけにはいきません。野生に復帰させなければならないのです。とても寂しいですが、野生に戻り、新しい群れや家族と暮らすことが本当の幸せなのです。

 今は野生復帰に向けて、土の中の昆虫や落ちた果実を探す練習をしています。まだまだ外に出るとへっぴり腰になり、すぐに木の茂みに隠れてしまうので、本当に野生で生きていけるのだろうかと不安になります。しかし、彼らの野生の本能を信じ、その日が来るまで、一緒に訓練を続けていきたいとがんばっています。


【到津の森公園(小倉北区上到津)】
 前身は西鉄が経営する到津遊園。昭和7年開園。遊園地に併設された動物園として市民に親しまれたが、平成10年、経営難を理由に閉園方針を発表。だが、26万人分の存続署名が集まり、北九州市が引き継ぎ、平成14年、到津の森公園として再開。
 自然に、動物に、人間にやさしいをコンセプトに、約100種500頭の動物を展示。また、「市民と自然を結ぶ窓口」として、市民がエサ代などを寄付できる制度、エサの準備などに協力する市民ボランティア制度もあり、市民と一体となった動物園づくりをしている。

web http://www.itozu-zoo.jp/


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なんだかあれだね。この写真のときもかわいいけど、今もっとかわいいし綺麗だ。
なんだよ、惚れてんのかwwwww

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