産業廃棄物のうえに生きる絶滅危惧種

【響灘ビオトープ】

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北九州市が絶賛PR中の響灘ビオトープにどこかモヤモヤするのは「ぶっちゃけタナボタじゃねえか」と思っているからです。
北九州市の公式サイトには響灘ビオ(略したw)についてこう書いています。
「廃棄物の埋め立て後にできたデコボコの地形が、湿地や淡水池、草原などの多様な環境を生み、さまざまな生物が生息するようになりました。」
ゴミを捨てたあと放っておいたら虫わきました的な? いやまさか、そんな。

響灘ビオの由来をインターネットで調べてみました。ホントかどうかは知りません。
という逃げ口上をどうぞご確認のうえそのまま読み進めていただくか、もしくはすっとばす。オーケー? はい。

北九州市若松区の北部は、かつて大日本帝国軍の要塞地帯の一部として指定され一般人は立ち入りは厳しく制限されていました。しかも市の都心部とからは遠く、交通の便も悪い (本当に悪い・・・)ことなどから開発が遅れていました。たぶんそういう経緯もあって産業廃棄物の処理場として埋め立てが進められ、工業用地としての利用が考えられていました。
それはちょうど「eco」が盛り上がってきた時期でしたから、エコタウンと称して、リサイクル業を中心とした企業群および企業や大学による実証研究エリアなどを形成してきました。
そんな中、1986年に埋め立てが完了した土地を北九州市は調査しました。2002年のことでした。
26年間も何していたんだと思いますが、調査の結果絶滅危惧種のメダカや鳥、種の保存法で採取が禁止されているベッコウトンボを含む約500種類の動植物を確認したから大騒ぎ。約4億円をかけて池の上を渡るデッキや野鳥観察小屋などを整備、外来種の駆除も行い、2012年10月6日に満を持してオープン! それが響灘ビオです。
ところが響灘ビオは、もともと管理型護岸でゴムシートをおわん状態にした中に廃棄物を埋めてできた埋立地で、雨水は海に流れません。ここでは水を綺麗にするのは自然の力ではなく、「埋立地」南隅の浄化ポンプの力です。響灘ビオは「自然」ではないのです。

以上、やっぱりタナボタ事業っぽい!! ネットも記事読んでるウチに僕も北九州市がキライになってきたし!(嘘)
でもやっぱり、ビバ響灘ビオトープ!! なんですよねえ。

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万が一過去に過ちがあったなら償わなければいけないし、状況に応じてときには非情な(駆除等の)軌道修正も必要です。
でも、「生まれが悪いから今も未来も永遠におまえの存在は悪だ」という態度は・・・違うよなあ。
北九州市がやって来たことと響灘ビオに生きる動植物たちは無関係なハズです。

ビオトープとはギリシャ語からの造語だそうです。bio(命) + topos(場所)。響灘ビオはまさに命の場所でした。
ビオトープを楽しむコツはただひとつ。15秒間立ち止まって草でも水辺でもどこでもいいから一点を見続ける。
・・・え。これだけ? はい、これだけです。

でも一見ナンの変哲もない空き地でじっと15秒って意外とできないものなんです。自分で確かめて見たらわかりますが、意識しないと5秒と制止できません。ちなみに、旭山動物園の前園長・小菅正夫さんによると、動物園で来園者が動物を見る時間って平均で2.6秒だそうです。それも30分とか1時間とか動物をじーっと観察するマニアの時間も換算してやっと2.6秒。ましてやふつうの空き地で15秒って・・・。

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けれどもし15秒耐えたら・・・、ふっと小さなものが蠢いていることに気づくはず・・・。それも無尽蔵に!!
僕はぽかーんですよ。なにこの惑星、生き物多すぎ!!

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メダカひとつとったって呆然です。うようよいる、うようよ。
メダカだけじゃなありません。よく名前のわからない鳥やら虫やら何かやら、それはもうそこらじゅう命です。
よく名前がわからない生き物は歩道のパネル見るとたいてい正体がわかります。
僕はパネルまで行って確認するのがもどかしくって、ビオ入口にあるネイチャーセンターでぶんどった園内パンフに助けてもらいました。パネルほどではないですが、代表的な生き物の解説があります。
あ、左下の写真は射的場じゃなくって野鳥観察小屋です。小窓からのぞけ!

ところで「ネイチャーセンター」はクセモノです!

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魚部もビビる生き物がいっぱいです!
魚部(ぎょぶ)とは福岡県立北九州高校の部活動で、アカデミックかつマニアックに、そしてなにより高校生らしいはしゃぎっぷりを発揮して大自然を知り尽くし、その魅力を世に知らしめてやれ!という青少年たちの熱き物語である。名前の由来は魚ばっかり採っているから。
その魚部がビビり、興奮しているらしいのです。全国でも数例しかいない生物がうじゃうじゃー!!と驚いているパネルを見るとこちらもドキドキしてきます。

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メダカの展示も卵からふ化1年後、2年後・・・5年後と年ごとにわけて展示しています。
メダカってこんなに生きるの? ていうか、1年後と5年後ってぜんぜん大きさ違うやん! 成長するんだ!? と当たり前のことにやけに感動します。
それからメダカの「背地反応」の展示もグー。
「背地反応」とは水底の色に合わせて体の色が変化するという反応のことです。天敵に見つかりにくくなるんですって。なるほど。
白と黒のそれぞれの色の石を敷き詰めた水槽を並べていてメダカを泳がしています。ああ、確かに色違う! もえるー!
ほかにも響灘ビオのなかで、生き物が擬態(カモフラージュ)を炸裂させている写真パネルなども展示されていています。

こんな展示を見ちまったら、ビオから戻ってきたばかりだっちゅうのにまた中に戻りたくなるんすよ。絶対何か見逃してる気がする!!

園内は環境維持のためペット同伴や飲食はアカンです。しかしできることが限られるから、実はそのおかげで腰を据えて生き物を観察することができちゃいます。
木陰すらないのは人によってはキツイかもしれませんが、天高く馬肥ゆる秋には絶好の散歩コースやー!!


なにこの提灯記事。


響灘ビオトープ 公式ページ(北九州市公式サイト内)
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/kankyou/file_0374.html
魚部 公式サイト
http://www.gyobu.jp/

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