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恍惚の育児書

島泰三という動物学者が好きです。
以前読んだ島氏の著作「親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る」は本当に凄かった。
「うしおととら」に匹敵するドラマがそこにはある。こんな研究論文見たことない。なにこの血湧き肉躍る知の冒険書! なんつって。
昨年10月頃、本屋でその「島泰三」という名前が目にとまりました。


■「孫の力-誰もしたことのない観察の記録」島泰三・著 (中公新書)
孫の力―誰もしたことのない観察の記録 (中公新書)孫の力―誰もしたことのない観察の記録 (中公新書)
島 泰三

中央公論新社 2010-01
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★★★★★(満点)

ただちに買って、ちょっと読んだら、あっというまに第一章、終ー了ー。
マズイ。
早く先を読みたい。でも読みたくないんだよ。だって読んだら読み終わるじゃないか。
この恍惚の時間を手放したくない。だから日に日に読むペースが落ちる始末。結局読み終えるまで3ヶ月を要した。(馬鹿)

動物の話との関連で面白かったのが。筆者が自身のサル研究に基づいて「イヌは命令―服従型だが、サルは命令―欺瞞型だと思うようになった」のくだり。
「禁止で赤ん坊が育つことはない(中略)人間はサルの仲間だから、禁止されると裏をかく方法を探す」
なるほど。でもそのあとに続く親と祖父母の役割の話がもっとなるほど。心震えんだよね。

筆者はニホンザルやアイアイ研究の第一人者です。
さすが研究者。観察が細かい。よくぞここまで書き留めた。いや書き留め続けた。なんと0歳から6歳までの膨大な記録と、そして考察です。

「モリスの言うような無条件に『かわいい信号』があって、『幼児はその信号を備えているからかわいいのだ』というような動物行動学はエセである。」
「食卓のふちを伝い歩きしながら『あー』と赤ん坊が言う。新聞を読んでいた母親は、ほとんど無意識の様子で『あー』と答えた。聞いている私は驚く。それは、ニホンザルでは『鳴き交わし』と呼ばれている声のやりとりとそっくりだった。」
「孫娘は坐り込んで、紙をばらばらと扱いながら、『うらうらうらうら』と何事か話し始めている。『意識化だ』と私はとっさに思う。」

日常の些細な一コマが研究者の理性の目で輝き出す。
でも理性だけではありません。

「心は花のように開き」、「子どもは遊びを食べて育つ」。
「ふくらむ心が始め出す表情を笑いと呼ぶのだろう。笑いをこらえるとき、体の中にはふくらむものが必ずある。」
「なんと! 人は日々、自分を超えようとする動物なのだ。」
「未来はすでにここに、孫たちとしてあるのだから。」

研究者としての理性と祖父として深い愛情の見事な融合。
決して人間の子育てを動物と比較した書ではない。命の物語を記した愛の書だ。
読んでいるうちに孫が本当に欲しくなる。(息子(2歳)は?)
育児に悩み解決は大切だ。便利も自分時間も大切だ。でもそんなこと些細なことジャマイカ。何をさておいても子どもと関わりたくなる。育児書かくあるべし。


関係ないけど「孫の力」で検索したらこんなサイト(雑誌)見つけた。
「誰もつくったことのない「まご」雑誌発刊!」とか書いていたから、名前パクリヤバスとか思ったら島泰三氏の文章も載っていた。
それどころか島氏と孫娘ちゃんがめっちゃいい顔で映っている写真も掲載されていた。
首謀者かーッ!?wwwww

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